デジカメに1000万画素はいらない

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

「ガバサク理論」(ガバッといっぱい撮ってサクっと画像編集ソフトで直す)を提唱しているたくきよしみつ氏の著書。


内容的には著者のWebページ+αという印象なのだが、その+αの部分が具体的かつ実践的で大ボリュームなので、自分みたいな写真の素人にとっては買って損しない本だと思う。
ちなみに著者のホームページはこちらhttp://takuki.com/index.htm
この中の「ガバサク談義」http://takuki.com/gabasaku/index.htmを読んで著者の主張に共感したら、本を購入するという流れがよろしいかと。


私が今愛用しているLUMIX TZ10の最大有効画素数は1210万画素なのだが、ほとんど使ったことがない。主に使うのは500万画素と30万画素で、500万画素の方はトリミング前提の撮影を行うときに使っている。私の使用目的はブログ用写真(400×300=12万画素)がメインなのだが、仮に印刷前提でも1210万画素で撮ることは無いだろう。商業印刷物に使われる写真画像の解像度が350dpi(dpi=1インチ辺りにいくつの画素が並んでいるかを表す単位)で、1210万画素だとA4印刷用…。私が撮るスナップ写真ならL版で充分です。


しかも小さなCCD(映像素子)を無理矢理細かく分けることで1000万画素を成立させるため、1画素あたりの面積が小さくなり受け取れる光量が減り、結果写真が汚くなる。メーカーも画素数競争が無意味だと分かっているが、素人(自分含む)は画素数が多い方がきれいに撮れると思い、少しでも画素数の多いデジカメを選択する。その結果が現状である。


ただ、この状況を苦々しく思っていても、市場には望みを全て叶えてくれるデジカメなど無い。特に写真は道具より撮り手。会社の先輩が使っているのも変哲のないコンパクトデジカメだが、私より遙かに良い写真を撮る。この本にはセンスの無い素人でも、今よりちょっと良い写真が撮れるようになるヒントがちりばめられている。


それから、ガバサク理論のサク部分に関わってくる画像編集に関しても軽く触れられている。衝撃的だったのは、暗く写った写真を補正するのは[ガンマ補正]であり、[明るさ]で調整してはいけないという事。もちろん、今まで[明るさ]で調整してました…


デジカメに対して一般人程度の知識しかない人にはお薦めです。