MC☆あくしず Vol.22

MC ☆ あくしず 2011年 11月号 [雑誌]

MC ☆ あくしず 2011年 11月号 [雑誌]

軍ヲタと萌えヲタの二重苦を抱えて生きる駄目紳士にとって、年に4度のお楽しみである痛雑誌の最新刊。表紙は藤沢孝さんが描くM1A1エイブラムス。


今回の巻頭特集は「デザート、ストームー!湾岸戦争しましょうか。」今は亡きサダム・フセイン率いるイラククウェートに侵攻し、米軍を中心にした多国籍軍フルボッコにされた戦争。あれから20年経つのである。
湾岸戦争の発生した原因や経過、そして湾岸戦争で取り入れられた戦術などがさらっと触れられ、その後はメインディッシュの兵器紹介。
最初に紹介されるのはもちろん、湾岸戦争の顔とも言えるM1A1エイブラムス。イラク軍の戦車に対して圧倒的優位を誇り、キルレシオは400:1(!?)。そしてM1A1エイブラムスをよく補佐したM2ブラッドレー、イギリスのチャレンジャー1なども萌え擬人化イラスト付きで紹介されている。
空の兵器はAH-64、湾岸戦争で有用性が再確認されたA-10、漆黒の暗殺者F-117Aナイトホークなどが主に紹介されている。
空中戦ではF-15Cが34機を撃墜する活躍を見せる一方、F-14はヘリを1機墜としたのみであり、逆に地対空ミサイルで1機を撃墜されている。詳しくは言及されていないが、おそらく任務の違い(F-15:E-3AWACS管制下での制空戦/F-14:艦隊防衛もしくは攻撃機の護衛)によるものだと思われる。
一方、あまりに弱すぎて神格化(チハ的な意味で)されているT-72”アサド・バビル(バビロンの獅子)”も当然取り上げられている。弾倉配置が不適切だったため、被弾すると誘爆を起こすトンデモ戦車。砲塔が根こそぎ吹き飛ぶ様子を見て、米戦車兵が「ジャック・イン・ザ・ボックス(びっくり箱)」と評したとか…。何処かの国の攻撃機が「ワンショットライター」とか呼ばれていたのと同じようなことですな。
それから、湾岸戦争といえば「スカッドミサイルvsパトリオット」。現実にはどちらも役立たず(スカッドミサイルは造りが粗悪で空中分解、パトリオットは対航空機用で弾道ミサイル迎撃はほぼ無理)だったが、政治的役割は充分に果たした(スカッドイスラエルに対する心理的圧迫、パトリオットはその心理的圧迫を和らげる)のだから、単純に無駄だったと切って捨てる事は出来ない。
久しぶりにクロスレビューも。鳳凰院○真みたいなロンメル、クリ○ティーナみたいなエイブラムス、バ○ト戦士みたいなカツコフ、ま○しぃ☆みたいなモントゴメリーがM1A1エイブラムスを始めとする湾岸戦争に参戦した戦車/装甲車をクロスレビューする。相変わらずの完成度でシュタゲを知っている人ならニヤニヤしながら楽しめる。
「投げっぱなし妄想企画 俺が考えた湾岸戦争」。けい○んネタ、ま○か☆マギカネタはまあ有るとして、F-15EJストライクフリーダムイーグルで種ネタをまさか今持ってくるとは思わなかった。多国籍軍イラク軍も見境無く攻撃し(ですよねー)、例の迷セリフ「やめてよね…」を吐く少年。…アニメが原因で殺人衝動に駆られたのはあの時が最初で最後、今となっては良い思い出です。


連載物では「ばすぽん!」で米陸軍の対空戦車を取り上げている。M42"ダスター"以来対空戦車を持たなかった(必要無かった)米陸軍。しかし、第四次中東戦争でZSU-23-4シルカが大活躍したのを見ていっちょ久々に開発するかと腰を上げる。
それで採用されたのはM247 SGTヨークだったのだが…50台生産したのに「実際の運用では信頼性に欠ける」から配備計画をキャンセル。ヨークと言えば、タミヤが1/35MMでモデライズしたのだが、今は当然生産中止品になっている。よほどのことが無ければ、再生産されることもあるまい。


今回も安心の駄目内容(良い意味で)。駄目紳士なら当然買い。