JWings5の憂鬱 F-4編

JWings5にラインナップされているF-4EJ改を実機および他社製品と比べてみる。なお、JWings1のみF-4EJである。


JWings5のF-4EJ改にとって最大のウィークポイントとも言える、キャノピー後方から胴体に繋がるラインを検証する。


実機


アルジャーノンプロダクト JWings5

キャノピーから胴体へのラインが盛り上がりすぎ。胴体前部と後部の接合部は合いがガタガタ。
レドームの塗り分けは黒い部分が足りないようである。
エアインテークの高さが足りない。
前席用キャノピーが巨大すぎ、後席用キャノピーが小さすぎる。これでは、後席に乗り込むのに苦労しそうである。
ピトー管は、開封時に曲がっていたのを修正してある。ピトー管やアンテナ等を無理矢理細く成形し、曲がったまま出荷するのはエフトイズの得意技だったはずだが、アルジャーノンプロダクトもそのまねを始めたようだ。愚かな行為を何故模倣するのか。急降下爆撃機のJu87で、多少見栄えが悪くても折れないようにアンテナを太く成形してあった見識は、一体どこへ行ってしまったのだろうか。


エフトイズ 日本の翼

機首が若干太いが、全体としては格好良くまとまっている。


童友社 妖怪の系譜

現在1/144スケールで手に入るファントムとしてはベストモデル。今回、比較写真を撮るために未完成品を引っ張り出したのだが、こんなに出来が良いとは思わなかった。キャノピー周りはほぼパーフェクトと言って良いのではなかろうか。


カフェレオ JWings1

若干寸詰まり。エフトイズと対照的に機首が細すぎ。


水平尾翼の角度を見てみる。


JWings5


日本の翼


妖怪の系譜


JWings1


実機写真


JWings5


日本の翼


妖怪の系譜


JWings1


開き方はJWings5>エフトイズ>童友社>JWings1
エフトイズ〜JWings1までは見解の相違で済ませられる範囲だと思うが、JWings5は開きすぎ。もはやF-4EJの尾翼ではない。


JWings5のF-4EJ改は、翼下パイロンの付く場所も変である。


JWings5(ミサイル取り付け用ダボを切除済み)

本来なら短距離用ミサイルを搭載しても胴体下に潜り込まないくらいの余裕があるはずだが、JWings5のF-4EJ改はパイロンのみの現状で胴体ギリギリである。他社製品の翼下パイロンはもう少し胴体から離れている。


日本の翼


妖怪の系譜


JWings1

JWings1は何とセンタータンク付き。童友社やエフトイズは胴体下のタンクに関してはスルーをしている。取り付けてはいないが、JWings5にもセンタータンクが付属しており、このへんはさすがアルジャーノンプロダクトである。


総合評価は
童友社☆★★★★
本体形状は最高。塗装も大変美しく、他の2社とは別次元。問題はタンク等の装備品や脚等が無塗装な点で、★1つマイナス。
エフトイズ☆☆★★★
本体形状は余り実機に似ていないが格好良い。塗装は現在のエフトイズ商品より綺麗。装備品はミサイル用ランチャーすら付いていないなど貧弱。
JWings1☆☆★★★+
エフトイズよりは実機に近いが、こちらの方が格好悪い。装備品が豊富な分だけエフトイズよりプラス評価。食玩では珍しくフラップを降ろした状態を再現している。
JWings5☆☆☆★★
似ていない本体形状、合いの悪さ、パイロンの位置や水平尾翼の角度など、本体に関しては誉める箇所が見当たらない。ピトー管が曲がっていたのもマイナス。貴重になってきた展示スペースを費やすほどの価値は無い。ただし、装備品に関しては必要な物がきちんと揃っている点を評価(短距離ミサイル×4・中距離ミサイル×4・翼下&胴体下タンク)。


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