涼宮ハルヒの驚愕(前)

ずいぶん長いこと新刊が出なかった涼宮ハルヒシリーズ。やっと新刊が出たので購入し、とりあえず前編を読了。


前刊で二つに分岐した平行世界は今だ収斂せず。ハルヒはαの世界ではいつも通り暴れまくり、βの世界では団長として長門の身を案じ介護する。どちらにしても、事象の中心と目されながらストーリーを大きく動かす立場ではないのはいつも通り。長門はαの世界では大人しく本を読んでいるだけ、βの世界では今だ再起出来ず。


今回スポットを当てられているのは、長門同様「宇宙人」に分類される天蓋領域のヒューマノイド・インターフェースである周防九曜と、キョンの中学時代からの友人である佐々木。とくに周防九曜に関しては、長門以上に人間離れした存在でありながら、感情のようなものを表情として見せたり、キョンの友人である谷口との「驚愕」(笑)のエピソードが語られたりする。


普通の厚さの文庫本一冊のなかで二つのエピソードを進行している事もあり、後編へのお膳立てで一冊が終わってしまった印象。物語が大きく動くのは、クライマックスシーンが含まれている後編であろうから、読むのが楽しみである。