ダイエットは運動1割、食事9割

「毎日のランニングや筋トレ、本当にそれで痩せましたか?」
フィットネストレーナーが書いた、ある意味著者自身の職業を否定するようなタイトルの本。


著者曰く、いくら運動を指導しても痩せない人が多く、痩せた人の場合は食生活も変化させていた事が多いのでこういった結論になったとか。


個人的には、ウォーキングで痩せた人やフィットネスジムで体重を落とした人を知っているので、運動による効能は1割どころではないと思っている。もっとも、それらの例でも食事に対してもそこそこ気を使っている節があったので、運動のみで痩せるのはやはり難しいのだろう。


「運動1割、食事が9割は言い過ぎじゃね?」と思うし、著者も内心では「運動と食事は3:7〜5:5位」と思っているのかも。しかし、人の心を動かしたり本の売り上げを伸ばしたりするには、なんと言ってもインパクトが重要である。また、「ちょろっと運動すればいくら食ってもOK」とかのたまいながら食いまくる顧客(そして痩せない)に辟易していて、それが元で極端なタイトルを思いついたのかも知れない。


食事に関しては、高N/Cレート(カロリーあたりの栄養的価値が高い)の食材を摂ろうと謳っている。逆に言うと低N/Cレート、いわゆるジャンクフードを避けよと言っているのだが、マクドナルドを代表とするファーストフードやスナック菓子だけではなく、パン(菓子パンだけでは無い、普通のパンも!)も低N/Cレートのジャンクフードであるとのこと。ちょっとびっくり。


運動に関しては…1日に8,000歩ほど歩いて逆立ちすれば良いらしいです。都内に電車通勤している人が仕事中に1回お使いに行ったら達成出来る程度の歩数だが、それだけで痩せるかな…。フィットネストレーナーを本業とする著者のことだから「本当に運動したかったら俺のところに来い」と言いたいのかな。


まあ、ぶっちゃけこっちの動画(パーソナルトレーナー安藤宏行さんによるレビュー)を見てもらった方がよく分かると思います。


一般的には、食事によるダイエットでは筋肉も減っていくし、有酸素運動を組み合わせてもやはり筋肉の減少は抑えられないと言われている。体重を落とすことだけが目標なら、減るのが筋肉でも脂肪でもどうでもいいのだろうが…。やはり、「筋トレ・有酸素運動・食事に気を使う」の3点セットが無難なのかなと思うのであった。