9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方

9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方

9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方

先の震災の際にも、来場者に素晴らしいホスピタリティを提供し絶賛されたディズニーリゾート。そのディズニーを支えているキャスト達がどのように育てられているのかを解説した本。


読んでいて思ったのは、後輩や部下を育てるにはその対象となる後輩なり部下なりをしっかりと見つめてやらねばならないという事と、人を育てることの大変さである。せっかく新人を採っても、見つめもせず放っておいて使い捨てにするなど、上司として絶対やってはいけない事である。


ディズニーでは、先輩がゲスト(ディズニーリゾートを訪れる客)と迎える時と同じように後輩を迎える。その背景には「人は、自分が扱われたように人を扱う」という考え方がある。挨拶出来ない上司の下にいる部下は、やはり挨拶が出来ない人間となる。部下を粗雑に扱う上司の下にいれば、自分に後輩が出来たとき、同じように扱うだろう。


また、上司なり先輩なりがミッション(その組織が目指すべき方向性)を正しく認識し、それを部下や後輩に伝えていかなくてはならない。指示を出す際に理由や目的を伝えなければ、仕事のクオリティは低下する。結果、効率が悪い、生産性が低い、モラルを逸脱するといった事態を招く危険性がある。


それから、結果を残せる職場は笑顔があふれているということ。人間関係が良好だからこそ協力し合えるし、逆に間違いを注意する事も出来る。


孫子曰く「卒を視ること愛子のごとし」。部下を我が子のように慈しみ、我が子のように教育し、我が子のように躾ける。なかなか出来ることではないが、気持ちだけでも持つべきだし、この気持ちを持たざる者はそもそも上に立つに値しない事を自覚すべきであろう。


書いてある内容が特別凄いというわけではないが、基本且つ根本的な部分をきちんと押さえてある本だと思います。目を通してみても損は無いのでは。