ゼロの血統 九六戦の騎士
- 作者: 夏見正隆
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2013/08/02
- メディア: 文庫
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時は1934年。鏡龍之介少年は、北海道の地において猟師の父、鏡銀史郎と二人暮らしをしていた。ある日、高等小学校の同級生である美少女から「大事な話があるので夜の八時に逢って欲しい」と言われる。しかし、同じ日の夜、銀史郎から”クマ撃ち”に出ると告げられる。
銀史郎の言う”クマ”とはソ連共産党の工作員達だった。九試単戦の設計図を本国に持ち出そうとする工作員達と、命を賭してそれを阻止せんとする銀史郎。銀史郎の正体は?
激しい戦い、そして龍之介は宿命に導かれるように、帝国海軍戦闘機パイロットへの道を歩み始めるのだった…
基本的には鏡龍之介の冒険活劇なのだが、後半のヒロインが満州国皇女だけあって、満州国についても記述されている。傀儡国家と言われようが、日本の後押しによって発展した満州国。日本が併合したことによって急速に発展(というか、未開の地から文明国に変貌を遂げた)朝鮮と同様である。発展した満州国における利権をあとから掠め取ろうとしたのがアメリカであり、それがゆくゆく太平洋戦争勃発の遠因となる…
続編「ゼロの血統 零戦の天使」は2013年秋発売予定。「スクランブル」シリーズに登場するもう一人の女性イーグルドライバー、漆沢美砂生の祖父が出てくるのかな?